北海道大学 放射性廃棄物処分勉強会(2019)

- 2019年度 青森六ヶ所村見学会 報告 -

(1)勉強会目的

施設見学および意見交換会を通じて、原子力バックエンドへの理解を深め、施設での厳密な安全管理の実態を知る。また、それらの施設に従事している研究者、技術者との交流を通じて、安全管理に取り組む姿勢、原子力バックエンド事業の重要性や最先端の研究開発の現状を学ぶ。なお、本勉強会は、原子力発電環境整備機構(NUMO)「地層処分事業の理解に向けた選択型学習支援事業」の支援の下で実施した。

(2)見学会実施内容

■見学先
日本原燃株式会社(青森県六ヶ所村)
■参加者
北海道大学 放射性廃棄物処分勉強会(代表:渡辺直子准教授)
(計12 名、教員 1 名・学生11 名)
■実施日時
2019 年10 月29 日(火) 10:00~15:40
■見学内容
・PR 館
・濃縮工場 外観
・低レベル埋設地 展望室
・X14 ガラス固化技術開発施設
・H8W 警備所 入域
・E 高レベル管理施設 窓越し

(3)勉強会実施内容

◎事前勉強会◎
■実施場所
北海道大学大学院工学研究院
■実施日時
2019 年10 月21 日(月) 16:30~17:30
■参加者
北海道大学 放射性廃棄物処分勉強会(教員 1 名・学生6 名)
■事前勉強内容
見学スケジュールの確認・質疑応答など

◎事後勉強会◎
■実施場所
リンクモア平安閣(青森県青森市)
■実施日時
2019 年10 月29 日(火)  18:00~20:00
■参加者
北海道大学 放射性廃棄物処分勉強会(教員 1 名・学生8 名)
日本原燃講師および解説者(7 名)
■意見交換内容
日本原燃が行っている核燃料サイクルに関する質疑応答

(4)勉強会成果

参加者は事前に以下のビデオ教材にて学習を行った。

低レベル放射性廃棄物埋設処分(京谷 修先生・日本原燃)

核燃料サイクル概論
講義1: 総論(小崎 完先生・北海道大学大学院工学研究院)
講義2:ウラン濃縮(星野 剛先生・日本原燃)
講義3:使用済燃料の再処理など(山田 立哉先生・日本原燃)

■質問
参加者から出された主な質問は以下の通りであった。

1.使用済み核燃料の再利用に関しての質問です。
高速増殖炉もんじゅは廃炉になりましたが新たな高速増殖炉を建造することなどは現在計画されているのでしょうか?

2.放射性廃棄物の処理についての質問です。これから先、廃炉となる原子力発電所が増えてより放射性廃棄物が多く排出されることになると思います。
その際に現在の施設のみでそのゴミを処理する事は出来るのでしょうか?

3.原子力発電に関係する仕事をしている立場として、原子力発電は今後必要だと思いますか。

4.海中にはまだまだウラン等のエネルギー源があり、それを合わせれば可採年数は現在の予測よりさらに長くなることに興味を持ちました。

5.まだ利用可能な部分も利用不可能な核廃棄物と一緒に処分しているという内容があったが、利用不可能な部分のみを処分できるとしたら、廃棄物の量をどれほど減らせるのか。

6.ウラン資源をプルサーマル利用した場合、効率が 1.18 倍となることは、将来のエネルギー需要や廃棄物の減容の観点から再処理の重要性を感じられました。
現状では、燃料の再処理にかかるコストと、再利用によって得られるエネルギーを天秤にかけたとき、プラスになっているのでしょうか。

7.浅地中ピット処分や余裕深度処分のような管理型処分では、埋めた後、どのような管理を行うのでしょうか。

8.放射性廃棄物の処分方法について、海洋処分はロンドン条約により、南極の氷床処分は南極条約によって禁止されており、また、宇宙に廃棄する方法も検討されるが、コストが高く、打ち上げ失敗のリスクの高さから、地層処分という選択がとられているということが分かりました。
現在、低リスク低コストで宇宙にアクセスできる技術の研究・開発が進んでおり、宇宙エレベーターなどの構想も発表されています。
長い将来を見据えたとき、今後の宇宙開発や原子力事業の展開によって、廃棄物の処分方法が宇宙処分やそのほかの方法になる可能性はあるでしょうか。

9.埋設処分地のキャパシティーはどの程度残っているのか。今後、多くの原発が廃炉になる中で処分地が足りるのかどうか。

10.核燃料サイクルを回すうえで現在一番のボトルネックになっている問題は何か。

11.原発は各電力会社が持っているはずだが、廃止措置のどの過程まで電力会社が行っていつから日本原燃が扱うのか。

12.廃棄物の分別を機械作業で行えないのか。

13.JESCO という組織の成り立ちと役割について。

14.300 年後に管理事業廃止とあったが、一番初めに事業を廃止するのは今から何年後の話になるのか。

15.なぜ他の候補地ではなく六ヶ所村が選ばれたのか。

16.安全評価について、台風などの予測できない自然災害についても考慮に入っているのか。


事前勉強会(2019年10 月21 日 北海道大学大学院工学研究院)


集合写真(2019年10 月29 日 六ヶ所原燃PRセンター)


事後勉強会(2019年10 月29 日 リンクモア平安閣)