先進的教育技術の研究開発
オープンエデュケーションセンターでは、先進的なハイブリッド型教育の設計手法および実施方法の開発、企業との共同によるオープン教材の開発など、教育工学の知見に基づいた専門的な知識やスキルを活かした研究開発に取り組んでいます。
先進的なハイブリッド型教育の開発
ハイブリッド型教育の設計手法の開発 北海道大学オープンエデュケーションセンターでは、教職員が効果的な授業を設計・実施するための手助けをする「授業デザインツールキット」を開発しました。このツールキットを使うことで、同じくオープンエデュケーションセンターが開発した授業設計法「リビルド法」により、オンライン(非同期型)と対面(同期型)を効果的に組み合わせた授業を設計することができます。 設計手法の開発について、日本教育工学会論文誌に掲載されました。 杉浦真由美・重田勝介(2023)ブレンド型授業の設計を支援する教員研修プログラムの開発.46 ( 4 ):679-694 < https://doi.org/10.15077/jjet.46018> リビルド法による授業の設計方法 リビルド法では、これまで実施してきた授業方法を分析(現状把握)したあと、「コミュニケーション」「インプット」「アウトプット」「コラボレーション」「アセスメント」の5つの観点から一旦バラバラにします(要素分析)。そして、「どのような活動をするのか」「オンラインでの実施は適切か」「同期・非同期どちらの手法を取るか」という視点をもって、準備、授業前、授業、授業後のフェーズ、すなわち時系列で組み立てなおし、一コマのブレンド型授業を設計します(改善提案)。 授業デザインツールキット ツールキットは、以下の3つのシートやガイドで構成されています。 1. 授業デザインシート 2. 授業デザインボード 3. 授業デザインシート活用ガイド 授業デザインツールキットは、北海道大学ハイブリッド型授業ガイドからダウンロードしていただけます。 https://sites.google.com/huoec.jp/onlinelecture/forteachers/toolkit
企業との共同研究
株式会社ドコモgaccoとの連携協定(2023年〜現在)
リカレント教育の高度化を目的として株式会社ドコモgaccoとOECが連携協定を締結し、以下の活動を実施しました。
- 実用的なスキルから知的好奇心を刺激する教養まで、リカレント教育コンテンツの共同開発
- オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド型でのリカレント教育方法の確立
- オンライン学習サービス「gacco」の学習者データの分析


アドビ株式会社との共同研究 (2019年〜2022年)
北海道大学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターは、2019年度にアドビ株式会社と共同研究契約を締結し、デジタルリテラシー教育で求められる批判的思考や創造的問題解決力を育成するオープン教材の開発に取り組んできました。オープン教材とは、誰もが自由に利用できる教育資源のことです。2020年9月11日付けのプレスリリースでは、第1章の公開について発表していましたが、この度、オープン教材全3章を完成させ、教員向けの無償コミュニティサイト「Adobe Education Exchange(AEE)」にて公開を開始しました。また、同教材の第1章部分の英語化も完成し、英語圏の教育者100万人以上に向けて公開しています。
- デジタル社会で必須となるデジタルリテラシー教育で求められる能力を整理
- 創造的問題解決力の基盤となるデザイン思考を教授・学習するためのオープン教材を開発
- 多様な教育機関での21世紀型スキルの育成に貢献

