アドビ システムズ 株式会社との共同研究契約締結のお知らせ

 

北海道大学オープンエデュケーションセンターでは、2019年11月1日付けでアドビと共同研究契約を締結したことをお知らせいたします。

>研究開発の概要はこちらのPDFをご覧ください。

 

本共同研究について

本共同研究の目的は、デジタルリテラシー教育を実施する教育者や、デジタルリテラシーの基礎を学びたい学習者が活用できるオープン教材を開発・共有することによって、教員の負担を軽減し、学生の自律学習に役立てることです。

 

デジタルリテラシーについて

デジタルリテラシーとは、わたしたちが日々アクセスし生み出し続けているデジタル資源を、解釈し、評価し、知識的・原理的に理解し、管理・活用・制作する能力のことです。また、コンピューターリテラシー、ICTリテラシー、情報リテラシー、メディアリテラシーの能力を含む総合的な概念として定義されています。※

アドビ本社デジタルメディア事業部門担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのブライアン ラムキン氏は、2019年11月3日に開催されたEduMAXにおいて、「デジタルリテラシーとは、問題解決のためにデジタルツールを使う力であり、革新的なプロジェクトを生み出し、コミュニケーションを強化し、ますますデジタル化する世界の課題に備える力である」と述べました。デジタルリテラシーを問題解決スキルと定義することは、デジタルツールの活用があくまで問題解決の手段であり、目的ではないことを示します。本学も、同様の立場に立っています。

 

開発するオープン教材について

本学では、デジタルツールを活用した問題解決のアプローチを、研究者にとってのスタディ・スキルと位置づけ、「メディアの読解」「メディアの設計(デザイン)」「メディアの制作」という3つのテーマでオープン教材を開発します。教育学とデザインの知見をあわせ、学生自身の学びや研究をデジタルツールでビジュアル表現に落とし込み、他者と共有して発展させるための方法論や基本原理を提供します。

オープン教材は、課題実践やグループワークと組み合わせ、学習効果を高めることができます。本学では、2020年4月からオープン教材を使った反転授業を実施します。開発したオープン教材で学ぶ「コンテンツ学習」と、課題実践やグループワークを行う「対面学習」、デジタル制作の専門家による「特別セッション」の三部構成を検討しています。デザインの非専門家も活用できるよう、カリキュラムや教授方法、評価方法のモデル化を進める予定です。

 

AXIES年次大会での発表について

2019年12月13日(金)に、福岡で開催されるAXIES 年次大会において、共同研究の現状を報告いたしました。(近日中に、実施報告の記事を掲載予定です)

 

※ 参考資料:
UNESCO, 「A Global Framework of Reference on Digital Literacy Skills for Indicator 4.4.2
NMC 「2017 Digital Literacy Impact Study