ELMS公認キャラクター 導入理由及び経緯について

オープンエデュケーションセンター(OEC)では、本学の学生が創作したELMS(教育情報システム)をテーマとしたキャラクターをELMSの公認キャラクターとして公開しておりますが、複数の学内教員よりキャラクターのデザインや公認化に対する厳しいご意見をいただいております。これを受けて、OECは対応を協議しておりますが、ひとまずOECがELMS公認キャラクターを導入するに至った理由及び経緯等についてご説明いたします。

公認の範囲について

当該キャラクターはOECが公認したキャラクターであり、北海道大学の公式および公認キャラクターではありません。

「える娘ちゃん」を公認した理由

一番大きな理由は、本来無機質であるシステムに対し、学生が創造性をもって創作し、またその活動がコロナ渦で大学に来ることのできない学生同士を繋ぐコミュニケーションとなったことに感銘を受けたからです。2020年コロナ渦において、本来の新学期より一月遅れで開始された初回授業時にELMS(moodle)のサーバーダウンが発生しました。オンライン授業や課題提出など多くの方にご迷惑をおかけすることとなり大変申し訳なく思っておりました。しかし、キャラクター作者は、このサーバ―ダウンをきっかけに、ELMSを擬人化するアイディアが浮かび、具現化しデザインが完成しました。キャラクターのデザインにはELMSロゴマークのカラーが組み込まれており、図柄にネットワークを表現するなど、細部までELMSの特徴を取り入れた創作物となっています。率直に素晴らしいと感じました。

その他の理由としては、学生の創作活動を認めつつ、作者とOECとの間の権利関係を整理することが必要と考えたからです。OECが当該キャラクターを発見した時には既に作者により商品化されていました。非営利組織であるOECがELMSを用いた物販を黙認することはできません。しかし、同時に学生の個人活動を妨げない形で権利関係を整理できないか検討いたしました。その結果、ELMSのロゴが付与されたキャラクターをOECとして公認し、商品化しているものは非公認のキャラクターとすることで、OECが営利行為を行うまたは加担しているとの印象を与えないよう対応することといたしました。

OECはELMSのキャラクターを作りたかったのではなく、学生のすばらしいインスピレーションで生まれた、このキャラクターを採用することに意義があると考えたため 、新たにキャラクターを公募することはいたしませんでした。

導入までの経緯

公認キャラクター導入は前例のない案件であることから、高等教育推進機構(高機構)長および学務部を交えた慎重な検討を経て、然るべき手続きを経た上で実施いたしました。導入までの経緯は以下の通りです。

・2020年9月中旬
学生の創作したキャラクターをOEC担当教員が発見
取り扱い方法についてOEC eラーニング部門にて協議し、方針を策定
作者である学生とのコミュニケーションを開始
・2020年9月末
OEC連絡会にて取り扱いを協議し、OECとしての方針を決定
OEC長より高機構長に検討を依頼
高機構長から、キャラクター使用自体に問題はないが高機構による承認が必要であること、次期高機構長に本件を引き継ぐことを通知
・2020年10月中旬
機構および学務部での検討において、本件の決裁は高機構長預かりとなる
高機構長により本件を進めることが決裁される
・2020年10月末
OECから学生に公認キャラクターの作成を依頼
・2021年3月末
学生からOECに公認キャラクターの画像を提供
・2021年6月
OECホームページにて公認キャラクターについて通知

その他

1)利用方法
・ELMSの利用方法を説明するマニュアルや学内向けスライドに掲載
・OECホームページやELMSにて公認キャラクターを周知
なお、デザインが好みではない方に配慮し、ELMSポータルへは起用していません。2)著作権及び利用について
著作権の帰属及びライセンスは、以下の通りです。・作者のオリジナルデザイン
著作権の帰属:作者
ライセンス:作者の定める利用方法に準じる
・OECが制作依頼したデザイン
著作権の帰属:OEC
ライセンス:CC BY-NC(出典記載且つ非営利目的の利用)OECが制作依頼したものには、正規ELMSロゴマークを記載しています。なお、作者のオリジナルデザインの利用方法をOECは制限しません。3)デザインについて
OECが作者にデザイン制作を依頼した際の依頼内容を以下にお示します。キャラクターのデザインは作者のオリジナルデザインを尊重することを踏まえ、既存のキャラクターを基本とするよう制作を依頼いたしました。キャラクターの構図や衣装については露出の程度を考慮いたしましたが、自治体でかつて性的描写が問題となり撤回となった公認キャラクターなどと比べても、描写は非常におとなしく過激な要素はないこと、人物ではなくシステムを擬人化したキャラクターであることを踏まえて、問題ないと判断いたしました。

・デザインパターン(制作依頼時2020年10月30日付)
1. ノーマルエルムスちゃん
2. 教えているエルムスちゃん
3. エルムスちゃんバーチャル背景
4. 稼働しているエルムスちゃん
5. 休憩しているエルムスちゃん
6. 応援しているエルムスちゃん
※1パターンにつき通常カラー版とラフ版の2種類を制作依頼

デザイン4、5、6については、学業に打ち込んでいる学生と一緒にELMSもフル稼働していることを表現しつつ、オンライン授業の受講や課題への取組に忙しい学生の応援や休息への促しの思いを込め、作者にデザインを依頼いたしました。