【開催報告】オンライン教育セミナー「ツールキットを活用した授業設計と改善」(10月29日実施)

記録動画配布スライドは、下記のリンクからご覧いただけます。
>> 記録動画(2021.10.29 実施)
>> 配布資料1: 効果的なブレンド型授業の設計
>> 配布資料2: ツールキットを用いた授業設計

開催日時
2021年10月29日(金) 16:30-17:30

参加者
107 名(うち学内参加者 47名、学外参加者 60名)
※北海道大学「教育に関するFD」として実施

概要
本セミナーは、効果的なブレンド型授業を設計するポイントと、OEセンターで考案・開発した、「リビルド法」と「ツールキット」を用いた授業設計および改善の具体的な方法について紹介することを目的として開催しました。

教育セミナー(ZOOMウェビナー)

時間 概要
16:30-16:35 開会挨拶
趣旨説明
16:35-17:00 セミナー1:効果的なブレンド型授業の設計
重田 勝介(北海道大学オープンエデュケーションセンター副センター長)
17:00-17:20 セミナー2:ツールキットを用いた授業設計
杉浦 真由美(北海道大学オープンエデュケーションセンター特任准教授)
17:20-17:30 質疑応答

セミナー1: 効果的なブレンド型授業の設計

セミナー1では、効果的なオンライン授業の実施方法として、ブレンド型授業を設計するための考え方などについて紹介・解説しました。
>> 配布資料1

まず、令和2年度・3年度前期の、本学の全学教養教育におけるオンライン授業の実施状況、学生・教員アンケートの自由記述を紹介し、オンライン授業の課題について説明しました。

OEセンターでは、教員・学生がオンライン授業の利点と欠点を認識したうえで、以前の教育方法に逆戻りするのではなく、コロナ禍で見えたオンライン授業の利点を活かし、対面教育とオンライン教育を融合させた「ブレンド型」授業の実施をサポートしていこうと考えています。そのため、「ブレンド型」授業の設計をサポートする「リビルド法」と「授業デザインツールキット」を開発しました。

セミナー2:ツールキットを用いた授業設計

セミナー2では、授業デザインツールキットの概要と、ツールキットを使った授業設計の方法について説明しました。
>> 配布資料2

まず、授業デザインの手法である「リビルド法」について解説しました。授業を構成する5つの要素「コミュニケーション」「インプット」「アウトプット」「コラボレーション」「アセスメント」について可視化することで、授業の到達目標やそれに対応する評価項目に過不足がないかを確認します。

また、授業の準備、授業前、授業、授業後の各フェーズにおいて、実施する内容や方法とのつながりについても確認することができます。これらは杉浦先生が担当した実際の授業を例に説明しました。

次に、ツールキットの「授業デザインシート」と「授業デザインボード」を用いて授業を組み立てなおす方法について説明しました。対面のみで実施していた授業を例として、LMSを用いて「ビデオ配信」したり「課題提出」するなどの要素を加えたブレンド型授業に設計しなおす方法を解説しました。

 

質疑応答

セミナー中には反転授業についての質問が寄せられました。

「反転授業の欠点として、①事前に動画を見てこない学生が出てくると、対面授業でうまくグループワークができなくなる、②すべての科目が反転授業を行うようになると、課題のオーバーワークと同様に事前学習のオーバーワークが発生する危険性がある、と考えますがどのように対処すればよいでしょうか?」

これら質問には重田先生から回答がありました。

「①については、授業の初めに事前課題についてのミニレクチャーを行うことが効果的です。ミニレクチャーは学習内容の振り返りを兼ねており、事前に課題をこなした学生にも役立ちます。また、事前課題の学びを授業でどう活用するのかを伝えることで、事前課題の重要性を学生に実感してもらうことも大切です。

②については、すべてを反転授業の形にする必要はなく、反転授業を選択する場合も目的にあわせて選択することが大切かと思います。」

質問していただいた参加者のみなさま、ありがとうございました。

 

開催後のアンケート結果

アンケートの結果、9割以上の回答者が説明の分かりやすさや進行、時間配分などについて、「満足」「やや満足」と回答しています。

アンケートでは、「可視化することで授業に各要素が含まれているか整理するツールの内容が理解できた」というコメントがある一方で、「授業内容以外に細かい計画などの準備をしている時間はなさそうに思いました」「経験の少ない場合には、うまく改善へ持っていけるのでしょうか。授業の満足度や効果をMAXに持っていくために、何を調整すればよいのか、その指標があるといいのでは」などの意見も寄せられました。ツールキットを改善していく際に、参考にさせていただきます。

また「後半のリビルド法は、実際にツールキットを使用して自分自身の授業で経験してみないと実感がわきません。しかし、可視化はよい手段と思います。今年度の残りの授業で活用できる面については、活かしたいと思います」というコメントもありました。

今後、OEセンターでは、ツールキットを用いた授業設計・改善のワークショップを行っていきます。ツールキットを実際に活用していくなかで、より使用する意義・意味のあるものに改良できればと考えています。

今後とも、北海道大学オープンエデュケーションセンターをよろしくお願いいたします。