【開催報告】OECフォーラム2021「教育DXの「近い未来」」

 

開催日時:2022年3月8日(火)
午前の部: ワークショップ 10:00-12:00
午後の部: シンポジウム 13:30-16:00

参加者
ワークショップ5名、シンポジウム78名

2021年度のフォーラムは「教育DXの「近い未来」」と題して開催いたしました。午前午後の二部構成になっており、午前の部はワークショップ、午後の部はゲストを招いたシンポジウムを開催いたしました。また、本フォーラムは北海道大学「教育に関するFD」として開催されました。

ワークショップ

午前の部では「効果的なブレンド型授業の設計と実施方法」をテーマとしたワークショップを開催しました。参加者のみなさまには、それぞれ一コマの授業計画を持ち寄っていただき、ツールキットを用いてブレンド型授業を考案する手法を用いて、来年度の授業改善案を作成していただきました。学外から5名の参加者があり、講師とファシリテーターと意見を交わしながらワークを行いました。ワークショップ後に課題の提出期間を設けており、修了者に修了証を授与する予定です。

配布資料は、下記のリンクからご覧いただけます。
>> 配布資料(北海道大学・杉浦真由美)

 

 

シンポジウム

シンポジウムの基調講演では、まず山本知仁教授から「金沢工業大学におけるデジタルトランスフォーメーションの取り組み-学生一人ひとりの学びに応じた教育実践について-」というテーマでご講演いただきました。

配布資料は、下記のリンクからご覧いただけます。
>> 配布資料1(金沢工業大学・山本知仁教授)

 

金沢工業大学では、従来から存在した学習支援システムを改良し、学内に蓄積していた様々なデータ(入試情報、就学履歴、成績管理、進路情報など)を機械学習・ディープラーニングによって統合的に分析した結果、退学者の推定や、その理由についてもXAIによって明確化することが可能となり、学生への指導に全学的に取り組むことに活かされているということでした。

 

 

続いて、姫野完治教授から「教師教育におけるDXの取組-教師のわざをいかに伝えるか-」というテーマでご講演いただきました。

配布資料は、下記のリンクからご覧いただけます。
>> 配布資料2(北海道教育大学・姫野完治教授)

 

教師の力量向上と質保証など教師教育が抱える問題についてご説明いただいた後、ご自身が取組まれているVRやアイトラッキングを用いたベテラン教師の視線についての研究をご紹介いただきました。また教育DXによって今後リメディアルも含めた大学・大学院での教師教育の在り方が変わっていく可能性と問題点についてもご説明いただきました。

 

加えて本学から「北海道大学おける教育DXの取組」と題して、デジタルシームレス学習環境の整備、ハイブリッド型教育の手法確立、オープンな学習プラットフォームの構築など本学で実施されたplusDX事業の取り組み内容を具体例と共に紹介しました。

配布資料等は、下記のリンクからご覧いただけます。
>> 配布資料3(北海道大学・重田勝介)

>> 北海道大学におけるハイブリッド型授業ガイド

 

パネルディスカッション

パネルディスカッションは、参加者からの質問を端に議論が行われました。質疑の内容は学生の個人情報の扱いについて、また学生のメンタルなどより学習以外の面で支えるデータ活用なのか否か、GIGAスクール端末の導入によって学習の個別最適化が生じるのか、教師の役割も変化するのではないか、など多岐にわたりました。

最後には「近い未来」を超えた教育DXの未来を予期した意見が交わされました。

茶話会

COVID-19の感染拡大防止の観点から懇親会ではなく、オンライン茶話会を実施しました。参加者は少なかったですが、ゲストの先生を囲んで意見交換の時間となりました。

 

アンケートについて

アンケートは67名から回答が得られました。アンケート項目は、「フォーラムのテーマ」「時間配分」「進行のスムーズさ」「全体を通して」で、すべての項目で「1. 満足」もしくは「2. やや満足」という回答を得ました。

自由記述欄では、「いずれの事例も分析のための分析ではなく、学修者本位で取り組まれていたように感じました。たいへん勉強になりました」、「話題提供が取組紹介だけでなく、かなり深い分析の話までされていたのが、とても良かった。DXの今後の方向性について示唆の富む内容だった」などの好評をいただきました。

また、オープンエデュケーションセンターへの要望として、「もう少し詳しく各大学の事例や実態を聞きたかった」など時間配分について、「今回のように様々な大学の先生が大学の教育の質向上についての研究を(それぞれの得意分野で)発表していただく機会がもっとあればと思います。一人一人(教員、職員)ではなく、学部、部局、大学全体で取り組むためには、どうしたらいいのか等うまくいった例も知りたいです」など定期的な情報共有に関するコメントをいただきました。今後の運営の参考にさせていただきます。

末筆ながら、年度末の繁忙期に参加いただいた皆様にあらためて御礼申し上げます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

OECのスタッフ一同

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配布資料は、下記のリンクからご覧いただけます。

午前の部:ワークショップ
>> 配布資料(北海道大学・杉浦真由美)

午後の部:シンポジウム
>> 配布資料1(金沢工業大学・山本知仁教授)
>> 配布資料2(北海道教育大学・姫野完治教授)
>> 配布資料3(北海道大学・重田勝介)