OECの成果(2025年度)

オープンエデュケーションセンター オープン教育開発部門(現:教育学修支援センター オープンエデュケーションユニット)では、ハイブリッド型学習の「共同開発」、ハイブリッド型学習の「実施支援」、先進的教育技術の「研究開発」を活動の三本柱としています。これら3つの活動成果を報告いたします。

共同開発

ハイブリッド型学習の「共同開発」では、教職員のニーズに応じて「オープン教材(OER)の開発」、「オープン教材を用いた授業支援」、「学習環境の提供」を行っています。

■ 開発コンテンツ一覧

開発したOERについて、以下に紹介します。 2025年度は、63コース、261コンテンツ(うち3講義が英語コンテンツ)を制作し、7講義の授業支援を行いました。

■ 累計コンテンツ数

2014年から2025年度までに開発した OER のコンテンツ数、英語コンテンツ数、コース数の推移を下図に示します。 数値の定義は以下の通りです。

  • コース数:開発した OERの講義数
  • コンテンツ数:開発したOERのコンテンツ数
  • 英語コンテンツ数:上記のコンテンツ数のうち英語を用いた OER の数
■ 2025 年度における著作権処理の内訳

2025年度(2025年4月~2026年3月)に著作権処理を実施した102講義(うち補償金制度の対象となる 講義は52講義)の著作権処理の内訳は以下の通りです。補償金制度外では、著作物数(自作のものを含む)は1,710件であり、そのうち第三者著作物は479件(28%)でした。これらの第三者著作物について、権利者からの許諾不要で利用可能だったものは295件(62%)となりました。また、 利用許諾申請については、102件の申請を行い、無料で許諾が得られた件数は76件(75%)、有料で許諾が得られた件数は4件(4%)、許諾が得られなかった件数は22件(22%)となりました。その他、差し替え対応を行った件数は70件、削除となった件数は12件となりました。 ※ 四捨五入の関係で内訳の和が100%にならない場合があります。

授業目的公衆送信補償金制度(以降、補償金制度)対象の講義52件については、著作物数(自作のものを含む)は3,899件であり、そのうち第三者著作物は1,446件(37%)でした。これらの第三者著作物について、補償金制度の定める要件を満たすことで利用可能となったものは1,193件(83%)となしました。また、利用許諾申請については、29件の申請を行い、無料で許諾が得られた件数は25件(86%)、許諾が得られなかった件数は4件(14%)となりました。その他、差し替え対応を行った件数は126件、削除となった件数は98件となりました。 


学習環境の提供


開発した OER は、目的にあわせて、OECで管理・運用しているプラットフォームで利用しています。
主なプラットフォームは、北海道大学の教職員が利用する「教育情報システム(ELMS)」、北海道大学の学びを学外に向けて公開する「北海道大学オープンコースウェア(北大 OCW)」、誰もがネット上で講座を受講できる「大規模公開オンライン講座(MOOC)」の3つです。

■ 教育情報システム ELMS・Moodle
教育情報システム(ELMS)は、北海道大学の教職員が利用する全学向けの教育学習システムです。

ELMS は学内に設置された 998台の教育用端末のほか、学生用のポータル機能や Moodle を用いた教育情報システム、Google Workspace を用いたグループウェアによって構成されるウェブサービスを提供しています。
■ 北海道大学オープンコースウェア(北大OCW)
北海道大学オープンコースウェア(北大 OCW)は、北海道大学における「学びのいま」を公開する、コンテンツ配信プラットフォームです。2006年より本学高等教育推進機構で運用を開始したのち、2014年4月より OECで運用を引き継ぎ、継続的な改善を実施しています。2015年11月1日から2026年3月31日までの総ページビュー数は 1,031,323回、総訪問者数は 206,566人です。

動画配信を主とする北大 OCW では、ストリーミングサーバーとして「Kaltura」を導入し、著作権の関係上、違法な動画ダウンロードができないよう管理しています。
■ 大規模公開オンライン講座(MOOC)

MOOCとは、インターネット上で公開される、世界中、誰でも受講できるオンライン講座のことです。OECでは、映像教材の制作と教材設計、開講中のサイト管理、事務手続きを一手に引き受けています。

地層処分の科学(2025)※ 再再開講
工学研究院 渡邊直子 教授/他5名

gaccoにおいてMOOC講座「地層処分の科学」を2025年10月に開講しました。本講座は2020~22年に開講された「放射線・放射能の科学」の続編として企画され、高レベル放射性廃棄物の処分における「地下水シナリオ」での各種バリア材の研究について教えるものです。OECでは計画の立案、教材設計、撮影、編集、PVの制作、開講後の運営を担当しました。

 

実施支援

現在、さまざまな分野でデジタルトランスフォーメーション( DX )が推進されており、高等教育においても教育のデジタル化を通じた変革が期待されています。こうしたなか、本学は2021年度に文部科学省「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン( Plus-DX )」に採択され、「デジタル・シームレス学習環境」を実現することを目標に、オンライン教育環境の基盤整備、学内キャンパスネットワークの整備拡充、ハイブリッド型授業の実施・評価の手法開発と普及、地域におけるオープンな教育プラットフォームの開発を含む全学的なオンライン授業の実施を支援してきました。


ハイブリッド型授業の設計手法開発・支援


ハイブリッド型授業における授業設計を、教員からみた学生への教授行為について整理し、これまでの対面授業を分析し、教授者の目線からブレンド型授業を考案する手法「リビルド法」を開発しました。
>> 効果的な授業の実施方法

また、リビルド法を利用して既存の対面授業をハイブリッド型授業に設計しなおす教員研修プログラムを開発・実施しました。
教員研修には事前・事後課題を設け、事前課題ではデザインシートを用いた授業の現状分析を、教員研修ではデザインボードを用いて授業の改善案を検討する活動を行いました。研修後、提出されたデザインシートには、教員研修の支援者から「よいと思った点」「さらに授業をよくするための改善案」について文書によるフィードバックを返却するとともに修了証を発行しました。
>> 【開催報告】オンライン教育セミナー「ツールキットを活用した授業設計と改善」


授業デザインツールキットの開発


リビルド法による授業設計では、授業の流れを可視化して分析し、整理することが重要です。そのため、これまでの授業をハイブリッド型授業に組み替える過程を記述する「授業デザインシート(以下デザインシート)」と、5つの教授行為の組み替え作業を行う「授業デザインボード(以下デザインボード)」を開発しました。
>> 授業デザインツールキット


ハイブリッド型授業ガイド


2020年より、本学におけるオンライン授業の実施支援を継続的に行っています。その一環として、ハイブリッド型授業ガイドを構築し、情報提供を行っています。
>> 北海道大学におけるハイブリッド型授業ガイド


講習会、勉強会、セミナーの実施


上記のような教員研修プログラムの他、ハイブリッド型授業に関わる話題を中心に、講習会・勉強会・セミナー・フォーラムを開催しています。
>> NEWS


ハイブリッド型授業支援


学内でハイブリッド型授業の導入と実施について、動画教材開発や運営について支援を行いました。

研究開発


共同研究


OECでは、教材開発のみならず、動画教材を用いた教育手法など研究開発を行っています。これら研究は授業開発・サポート、MOOC など講座開講の結果についての分析など、センターの活動を改善し、新たな開発を行うサイクルの一貫に位置づけられます。

■ 株式会社ドコモgaccoとの共同研究(2023年度〜2025年度)

リカレント教育の高度化を目的として株式会社ドコモgaccoとOECが連携協定を締結し、以下の活動を実施しました。

  1. 実用的なスキルから知的好奇心を刺激する教養まで、リカレント教育コンテンツの共同開発
  2. オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド型でのリカレント教育方法の確立
  3. オンライン学習サービス「gacco」の学習者データの分析

Digital Creative Grids (グリッズ)の開設

2025年5月8日、附属図書館北図書館2階に新たな学びのスペース「Digital Creative Grids(グリッズ)」を開設しました。
グリッズおよびAdobe Expressの活用促進を図り、「ゼロから始めるAdobe Express体験ワークショップ」、「教育を支援するデジタルクリエイティブツール活用セミナー」や「ショート動画制作ワークショップ」等、学生・教職員向けのイベントを多数実施しました。
12月には付属図書館と共催で「コンテンツ制作を通して学ぶ、伝えるためのデジタルリテラシー入門」を開催しました(全3回)。本講習会は、参加者が選んだ本の表紙をAdobe Expressで「リ・デザイン」(再構成)する実習を通じて、他者に意図やメッセージを効果的に伝えるためのデジタルリテラシー、コンテンツ制作技術の習得を目指したものです。参加者からは、デザインが身近なものであることや、課題制作を通しAdobe Expressの使い方についても理解が深まったなどの感想をいただきました。
>> グリッズ 実践報告

過去の成果